声優養成所ってどんなところ？専門学校との違いは？

「将来は声優になりたい」

そんなふうに考える方なら、声優養成所への入学を検討したことがあるのではないでしょうか？

声優養成所について、声優を目指す人が通う場所、というのは何となくご存知の方が多いです。しかし、どんな人が通えるのか、声優の専門学校と何が違うのかなど、詳細は知らないという方もいらっしゃいます。

そこで今回は、声優養成所について、専門学校との違いやオーディション内容、対象年齢、選び方などをまとめました。
声優を目指して勉強したいと考えている方は、ぜひご覧ください。

声優養成所とは

声優養成所は、将来、声優として働くことを目指す方が通う養成所です。
声優になるための知識を身につけ、技術を磨く場所になります。

プロの声優として仕事をするなら、しっかりとした発声の仕方や役に合わせた話し方、喜怒哀楽といった表現力などがなければなりません。
そうしたスキルを独学で身につけるのは難しいので、声優を目指す多くの方は、養成所に通うことで徹底的な指導を受けます。

ただし、声優を目指す方が通う育成機関は養成所に限りません。中には専門学校に通い、知識や技術の習得に励む方もいます。

声優養成所と専門学校の違いは？

では、声優養成所と専門学校には、どのような違いがあるのでしょうか？
大きな違いは以下の3点です。

運営元

基本的に声優養成所は、声優プロダクションが運営しているか、もしくは声優プロダクションと提携しています。
このため、事務所への所属を目標に、運営元や提携先の声優プロダクションが、直接生徒を育てる教育の場が声優養成所です。

一方で専門学校は、国から認可を受けた学校法人によって運営されています。中学校や高校と同じ「学校」に分類される教育施設です。

オーディションの有無

声優養成所の大きな特徴として、入学に際して、技術的なスキルが評価されるオーディションを受ける必要があることが挙げられます。
声優養成所は専門学校に比べて規模が小さく、受け入れられる人数が限られているため、オーディションによって受け入れる生徒を絞り込んでいます。
このため、倍率の高い声優養成所は入学が大変困難です。

専門学校は、書類審査や面接などの試験はあるものの、スキルで合否が変わるオーディションは実施されません。未経験の方でも、「声優になりたい」という強い意志さえあれば入学しやすいと言えるでしょう。
合格率も声優養成所に比べて高く、入学はそれほど難しくありません。

学習内容・時間

声優養成所と専門学校では、学習内容や授業時間数にも違いがあります。

まず学習内容の違いについて。声優養成所は、声優としての基本的なスキルを身につけた人のみが入学できるので、養成所内での基礎的な学習は省略されます。声優として一歩進んだ学習や、応用的な学習が大半です。

一方で専門学校は入学後、基礎的なスキルを身につけるための学習から始まります。その後、徐々に応用的な学習に移るイメージです。

続いて授業時間数の違いについて。声優養成所は授業時間が短く、レッスン数は平均して週に1〜3回程度と言われています。
自由時間が多い一方で、本気でスキルを伸ばしたいと思った時には、自主的な学習や訓練が欠かせません。

反対に専門学校は、週に5日、みっちり授業があります。
自由度は低いですが、通学してきちんと授業を受けていれば、ある程度声優として必要なスキルを伸ばすことができるでしょう。

声優養成所のオーディション内容

先ほど、声優養成所に入学するためにはオーディションを受ける必要があるというお話をしました。
そこで次は、どのような内容のオーディションが実施されるかをまとめてみました。
一緒に見ていきましょう。

筆記試験

一般常識や簡単な漢字、ことわざの読み書き能力を測る試験です。
高校の入学試験ほど難しいものではなく、養成所によっては省略される場合もあります。

面接

多くの方が想像する一般的な面接と大きな違いはありません。
志望理由や自己PR、質疑応答などの時間が設けられています。
内面や考え方、コミュニケーション能力などを見られますが、こちらも筆記試験と同様、養成所によっては省略されます。

実技試験

オーディションにおけるメインの試験と言えるでしょう。
子どもや老人など、指定された役割をその場で演じることが求められます。
また、滑舌の良さや演技力などもチェックされるようです。

筆記試験や面接と違い、どの声優養成所でも必ず実施されることから、その重要性が伺えます。
声優養成所に入学するためには、実技試験対策が必要不可欠です。

声優養成所の対象年齢

学校などの教育の場は、10代の子どもが通う場所と思われがちですが、声優養成所はそうした学校とは異なり、大人でも通うことができます。
平均して、15歳〜40歳を対象年齢としている養成所が多いようです。
また、養成所によっては年齢の上限がない場合もあります。

すでに社会人として働いている方でも入学できるチャンスがあるので、本気で声優になりたい方の中には、働きながら土日に養成所に通う、といった生活をしている方もいます。

声優養成所の選び方

「声優を目指して養成所に通いたい」

そんな時は、どのような基準から養成所を選べば良いのでしょうか？
日本にはたくさんの声優養成所がありますが、その中から将来の夢の実現に繋がるような養成所を選べるのが理想です。

以下に、声優養成所を選ぶ基準をまとめましたので、ぜひご覧ください。

デビュー実績

プロを目指して邁進するなら、やはり一番気になるのはデビュー実績です。
声優養成所によって、どれくらいの人が現在プロとして活躍しているのか、どんなジャンルの仕事をメインにしているかが違います。
有名なプロ声優を多数輩出しているような養成所なら指導力があると考えられるので、あなた自身もまたプロの声優へと成長できる可能性が高いです。

運営・提携プロダクション

声優養成所の運営元が声優プロダクションであること、もしくは提携していることは前述の通りです。
そして、声優養成所によっては将来、そのまま運営元のプロダクションに所属することもあります。
このことから声優養成所を選ぶのは、将来所属するプロダクションを選ぶのと同じだと考えておくと良いでしょう。
自分が所属したいと思えるプロダクションの養成所をお選びください。

アクセス

週に1〜3回とはいえ、声優養成所まで通うのならアクセスも調べておきましょう。
2〜3時間もかかるようでは、時間が無駄になってしまいます。
その分の時間を自主練習などにあてたほうが有意義です。

最近はオンラインで授業を受けられる声優養成所が増えているので、そのような養成所を選ぶのも1つの手です。

学費

声優養成所によって学費が変わるので、無理のない範囲で支払える養成所を選びましょう。
年間の受講料だけではなく、入学金などもかかってくるので、こうした総合的な費用を考えて養成所を選ぶと、後で苦労しません。

養成所に入る前は専門学校でスキルを身につけよう

「声優養成所に通いたいけど、未経験だから…」

この記事を読んで、そんな悩みを持った方もいると思います。

繰り返しになりますが、声優養成所に入学するにはオーディションを受け、合格しなければならないため、未経験や初心者の方だと難しいかもしれません。
それでも声優を目指したい方には、専門学校をおすすめします。

専門学校は、声優養成所と違ってオーディションを受ける必要がないため、未経験や初心者の方でも入学できるチャンスがあります。
生徒の受け入れ数も多いので、入学のハードルも声優養成所に比べて低めです。

専門学校では声優として仕事をするために必要な基礎の訓練から始まるので、講義についていけないという心配もありませんし、専門学校で基礎力を身につけた後、声優養成所への入学を目指す道もあります。
もちろん、卒業後はそのまま声優デビューを目指す方も少なくありません。

いずれにしても、未経験や初心者の方であれば、声優養成所よりも専門学校の方が圧倒的に合っています。
声優養成所にこだわらず、今のあなたに一番合った環境で学びましょう。

まとめ

今回は声優養成所について、専門学校との違いやオーディション内容、対象年齢、選び方などを紹介しました。

養成所に通うことで、声優として活躍するために必要なスキルは身につきますが、そこに至るまでの道のりは少しばかり困難です。ある程度自分で訓練したり、別の育成施設に通ったりして、基礎的な力を身につけなければなりません。
独学では限界があるので、まずは専門学校に通って基礎から学ぶのが、声優養成所に入学するための近道と言えるでしょう。

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