「声優になるにはどうすれば良いの?」
声優になりたいと思っても、具体的に何をすれば良いか分からずなかなか行動に移せない人は多いでしょう。
声優は人気が高く、競争率の高い職業です。
だからこそしっかり情報を集めて、考えて行動することが大切です。
今回は、声優になる方法について、一般的なルートや年齢別のめざし方を解説。
さらに声優になるのに向いている人の特徴や必要なスキルのほか、プロの声優からのアドバイスも動画でご紹介します!
声優になりたいと思っている人は、まずはこの記事を読むことから始めてみましょう。
- この記事の監修者
- 大阪アミューズメントメディア専門学校 声優学科は、プロダクション直接所属62.3%。 インターンシップではプロの声優と一緒に仕事ができ、学生のうちから現場を経験できます。
- 柿原徹也さん、白井悠介さん、降幡愛さんなど、AMG卒業生の人気声優もたくさんいらっしゃいます。
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- 柿原徹也さん、白井悠介さん、降幡愛さんなど、AMG卒業生の人気声優もたくさんいらっしゃいます。
声優になるには?一般的な3つのルートを紹介
一般的には、声優としての活動は声優事務所(プロダクション)に所属することから始まります。
そして、声優事務所(プロダクション)に所属するためには、主に以下の3つの方法があります。
・声優の専門学校に通う
・声優の養成所に通う
・一般公募のオーディションに参加する
声優の専門学校に通う
声優の専門学校とは、発音や発声、演技力など声優になるための知識や技術を基礎から学べる機関です。
声優の専門校を卒業した後、声優養成所や声優・芸能プロダクション、劇団などに所属。
その後、所属する事務所などが紹介してくれるキャストオーディションに合格することで、声優としてデビューが可能です。
また、専門学校によっては在学中や卒業年次に学内オーディションが開かれ、声優としてデビューできるチャンスがあります。
声優の養成所に通う
声優事務所(プロダクション)が運営する声優の養成所に入所するというのも、声優をめざすメジャーな方法の一つです。
オーディションを通過して入所することで、直属のプロダクションでのデビューを前提に、新人声優として訓練を受けることができます。
声優としてのスキルを磨き、直属プロダクションの入所オーディションに合格できれば、晴れて声優事務所(プロダクション)所属の声優として活動することが可能です。
一般公募のオーディションに合格する
新人発掘オーディションや、アニメやゲームの役を決めるオーディションなど、一般公募のオーディションも声優デビューのチャンスです。
書類審査や自分の声を吹き込んだテープ審査、スタジオでおこなわれる実技審査などに合格することで、声優事務所(プロダクション)に所属する権利や作品への出演権を獲得できます。
ただし、一般公募オーディションといっても、参加者のほとんどは声優専門学校や声優養成所の生徒であるため、演技未経験者がオーディションに合格できるのは非常に稀なケースだといえるでしょう。
「声優オーディションがどんなものか、いまいち想像がつかない」という人は、こちらの動画をチェック!
>> 「声優オーディションがどんなものか、いまいち想像がつかない」という人は、こちらの動画をチェック!
声優の専門学校と声優の養成所の違いは?
上記を読んでも、声優専門学校と声優の養成所の違いがいまいちピンとこない…という方もいるでしょう。
声優の専門学校と声優の養成所の大きな違いは、運営と対象者、レッスンの頻度です。
声優の専門学校は、学校教育法による認可を受けた一般的な学校で、演技をかじったことがある人からまったくの初心者まで広く門戸を開いているのが特徴です。
このため声優養成所とちがって入所オーディションなどもなく、声優を志している人なら誰でも入学することができます。
通学期間は2年が一般的で、週5日間、1コマ90分の授業が午前中〜夕方にかけておこなわれます。
それに対して声優の養成所は、声優事務所(プロダクション)が運営または提携していることが多いです。
あくまでも、自身の事務所でのデビューを前提に新人声優を育成するため、すでに演技の経験や実力がある人を対象に訓練をおこないます。
このため授業内容も応用的な内容から始まることが多く、カリキュラムも週1〜3日程度となっています。
そのほかに声優になるにはどんな方法がある?
声優の専門学校や養成所以外でも、声優のためのスキルを身につけられる場所としては、劇団や声優教室が挙げられます。
劇団に所属する
声優の中には、児童劇団で子役として活躍してからデビューした人も多くいます。
まだ学生なら、まずは児童劇団に所属してから声優の仕事をもらう方法もおすすめです。
「もう児童劇団に所属できる年齢ではない」という人も、社会人劇団など年齢不問の劇団はたくさんあるため、演技の勉強のために入団すると良いでしょう。
劇団は声優専門学校や声優養成所と違い、講師がいてしっかり指導を受けられるわけではありません。
それでも、実際にお客さんの前に立ってお芝居をすることで、実践的に演技力を身につけられるでしょう。
また声優養成所を運営している劇団では、養成所で声優の勉強をして、入団後に舞台だけでなく声の仕事も受けられる可能性が高いです。
ただし、劇団員になる場合もオーディションは必要です。
特に有名な劇団では高い演技力が求められるため、初心者が演技の勉強のために入団するというよりは、実力のある人が活躍の場を広げるために入団することの方が多いでしょう。
声優教室に通う
演技未経験者には、声優専門学校の他に声優教室もおすすめです。
声優教室とは、現役の声優や元声優が個人でレッスンを行うスクールのことです。
基本的にはマンツーマンなので、生徒のレベルに合わせた指導を受けられます。
そのため、声優教室は中級者や上級者にもおすすめです。
1人の講師が複数の生徒を指導するため、レッスンの回数はあまり多くありません。
少ないと月に数回、多くても週に1〜2回程度が一般的です。
最近ではオンラインレッスンも増えているので、学校や仕事とも両立しやすくなっています。
声優教室と、声優専門学校や声優養成所との違いは、デビューサポートです。
声優教室はあくまで技術を教えることが目的なので、オーディションの紹介などはあまりされません。
一方で声優専門学校や声優養成所はプロデビューが目的なので、オーディションの紹介や対策をしっかり行なっているところがほとんどです。
声優教室に通うには、基本的には申し込みをすればOKです。
ただし、人気の声優のレッスンには申し込みが集中するため、オーディションが行われることもあります。
独学で声優になる方法はある?
ここまで、声優専門学校や声優養成所、劇団や声優教室など、声優となるのに必要な技術を教えてくれる機関を紹介してきました。
しかし、なかには「独学で声優になれないのか」と考えている人もいるでしょう。
結論から言うと、独学で声優になるための技術を身につけることは難しいです。
実際に、上記で紹介したような機関でレッスンや勉強を受けず、まったくの未経験で声優デビューできた人はほんの一握りといえるでしょう。
また、独学で勉強すると変な癖がついてしまうことも多いため、本気で声優を志すなら費用や時間を惜しまず、しっかりプロから教えてもらうのがおすすめです。
声優専門学校や声優養成所に通う最大のメリット
ここまで、声優になるのに必要なスキルが身に付く場所や方法を紹介してきました。
しかし、そのなかでも声優になる方法としてもっともメジャーなのは、やはり声優の専門学校や声優養成所に通学する方法です。
声優の専門学校や声優養成所で学ぶことには、他の機関では得られない以下のようなメリットが存在します。
・声優のプロによる指導を受けられる
・声優業界とのつながりがある
・サポート体制がしっかりしている
声優のプロによるの指導を受けられる
プロの指導をまったく受けない状態で、演技力が上達する人は少ないでしょう。
特に未経験者は、独学によって発声や演技に癖がついてしまうこともあるので、プロの指導を受けるということは重要です。
声優業界とのつながりがある
声優専門学校や声優養成所の最大の強みは、業界とのパイプがあるということです。
声優デビューオーディションを受ける時や、新人声優のうちは業界とのつながりがないのが一般的です。
声優専門学校や声優養成所では、プロの声優の講師やOBとつながりができます。
また声優専門学校の中には、学内オーディションなどで声優事務所の方が来校するところもあります。
このようなつながりを活用すれば、デビューや仕事につながる確率も高くなると言えるでしょう。
サポート体制がしっかりしている
特に声優専門学校では、オーディション用の書類作成のアドバイスや模擬オーディションなどのサポート体制がしっかりしています。
業界の情報なども知ることができるので、独学で情報収集するよりは専門の育成機関に通うことをおすすめします。
自分に合った声優専門学校・声優養成所の選び方のポイント
未経験から声優を目指すのであれば、声優専門学校や声優養成所に通うことが一番の近道と言えます。
しかし声優の専門学校・養成所はたくさんあるので、自分に合った養成機関の選び方が分からずに悩んでいる人も多いでしょう。
声優の専門学校・養成所選びで失敗しないためのポイントをご紹介します。
授業の内容や形態
まず知っておきたいのは、声優専門学校や声優養成所の授業内容です。
演技未経験の人でも学びやすいように基礎から教えてもらえるのか、演技の経験がある人向けの場所なのかといったことを確認しておきましょう。
また、声優専門学校や声優養成所によってレッスンで学べる内容が異なります。
演技力を向上させるためのレッスンはもちろん、歌唱力を上げるためのボイストレーニングやリラックスした身体の動きを身につけるダンスも重要です。
中にはトーク力を磨くレッスンや日本舞踊、殺陣などが学べる声優専門学校や声優養成所もあるので、自分が目指す役者になるために必要なことが学べる場所を探してみてください。
近年では、オンラインレッスンを導入している所も増えてきているので、自分が受講しやすい環境が整った声優専門学校や声優養成所を選ぶといいでしょう。
授業時間と頻度
声優の養成機関によって授業の時間と頻度が異なります。
何年制か(何年通う必要があるか)、1週間に何回通うことになるのか、1コマの授業は何時間かといったことを事前に確認しておきましょう。
一般的に、声優専門学校は2年制で授業が週5回あることが多く、声優養成所は1年〜2年制で授業が週1〜3日あることが多い傾向にあります。
声優専門学校の授業は1コマ90分であることが多いですが、養成所の授業時間は様々で2時間の所もあれば3時間の場合も。
高校を卒業してすぐの人や、声優の勉強に集中したい人は2年制の声優専門学校に通うのがおすすめです。
声優専門学校の夜間コース・土曜コースや、週1〜3日の声優養成所であれば、ダブルスクールの学生や社会人でも通うことができます。
自分のライフスタイルに合った授業時間と頻度の声優養成機関を選ぶようにしましょう。
学費
声優の専門学校や養成所に通うためには、学費が必要になります。
家庭の事情や自身の収入によって学費をどこまで出せるかということが異なるはずなので、予算を決めてから声優専門学校・声優養成所を探すのがおすすめです。
学費の目安としては、声優専門学校の場合は年間で120万円前後、声優養成所の場合は年間で50万〜80万ほどです。
授業料の他に別途入学金が必要になる所も多いので、入学・入所を決める前に学費をよく確認しましょう。
予算との相談は大事ですが、学費が安いからという基準で決めてしまうと自分の学びたいことが学べない、もっとたくさん学びたいのに授業時間が少ないといったミスマッチが起こる可能性があるので気をつけてください。
デビューや所属の実績
声優専門学校・声優養成所の卒業生のデビューや所属の実績は必ず確認しておきましょう。
もし所属したい声優プロダクションが決まっているのであれば、その直属の声優養成所に入所するのが良いでしょう。
声優専門学校や、声優プロダクション直属ではない声優養成所の場合は、どんな声優事務所に所属することができるのかを知っておくことが大事です。
こういった声優の養成機関では様々な声優事務所のオーディションを受けることができ、選択肢が広がります。
たとえば大阪アミューズメントメディア専門学校では、75社以上のプロダクションを招いて開催されるオーディションが毎年あるので、自分に合った所を見つけやすいのが特徴です。
また、声優プロダクション直属の声優養成所を選ぶ際は、所属している人の傾向を見ておくと良いでしょう。
いわゆる萌え声系、アイドル系、演技派系など、所属しやすい人がどんな人なのかというのは声優事務所によって異なるので、自分の特色に合いそうな所を選ぶことをおすすめします。
直属の声優事務所にはどんなジャンルの仕事が来るか
声優プロダクション直属の声優養成所を選ぶ場合、そのプロダクションが得意とする仕事の傾向を見ておくことも重要です。
たとえば、「洋画の吹き替えをやりたい」と思って声優養成所に入ったら、直属の声優プロダクションは洋画の仕事をメインでやっていなかったということも。
所属している先輩たちの実績を見て、どんなジャンルの仕事が多いのかを確認しておくと、声優養成所に入ってから「こんなはずじゃなかった…」というミスマッチが起こることを防げます。
年齢層
大学生や社会人から声優を目指したいという人は、声優専門学校や声優養成所に通っている人の年齢層もチェックしておくといいでしょう。
声優専門学校には高校を卒業してすぐ入学する学生はもちろん、大学生や社会人から入学する「再進学」と呼ばれる学生も多いです。
夜間や週1コースのある声優専門学校では、特に再進学の学生が多い傾向にあります。
一方、声優養成所は年齢制限があるケースも多く、25歳までや27歳までの所もあれば、30代ぐらいまでといった比較的幅広い所や年齢制限なしの所も。
年齢制限にひっかからないかどうかや、学生の年齢層などを調べておくことをおすすめします。
【年齢別】今から声優をめざす方法を解説
声優という夢を叶えるためにとるべき選択肢や学校選びのポイントは、年齢によっても変わってきます。
そこでここからは、中学生、高校生、大学生、社会人と年代別にわけて、声優をめざす方法や注意点を紹介します。
中学生から声優になるには?
中学生からでも声優になれますが、年齢制限によって声優養成所や声優事務所の選択肢が限られてしまうことに注意しましょう。
中学生でデビューした声優は、もともと子役として活動していた人がほとんどです。
しかし、「自分は子役じゃないから……」と諦める必要はありません。
演技未経験の中学生は、まずは声優の勉強ができる学校を探しましょう。
声優養成所や声優専門学校の多くは、高卒以上でないと入れないことがほとんどですが、中には年齢制限のない学校や中学生以上なら入れる学校もあります。
ただし中学生でも入れる学校は少なく、声優事務所も年齢制限が厳しいので、選べる選択肢は少ないでしょう。
もちろん、中学生のうちからデビューを目指すのは素晴らしいことですが、「今は声優になるための準備期間」と考えて高校卒業まで待っても遅くはありません。
声優を目指す中学生が今すぐできることは、次の通りです。
- 学校の授業をしっかり受ける
- 部活動やスポーツの習い事で体力をつける
- アニメやドラマ、映画を観て作品や演技の勉強をする
高校生から声優になるには?
高校生から声優になるには、主に2つの方法があります。
1.高校在学中に声優養成所に通う
高校在学中でも、年齢制限のない一部の声優養成所なら入所できます。
ただし、声優養成所に入所するにはオーディションを受けるのが基本です。
ある程度の演技力があるなら、高校在学中に声優養成所に通うのもありでしょう。
2.高校卒業後に声優専門学校または声優養成所に通う
高校卒業まで待てば、通える学校の選択肢が広がります。
特に、声優専門学校は入学時にオーディションがないことがほとんどなので、初心者でも通いやすいのが魅力です。
高校を卒業するまで待つ間、できることもあります。
- 時間をかけて声優専門学校や声優養成所を比較する
- 滑舌トレーニングや腹式呼吸の練習をする
- アニメやドラマ、映画を観て作品や演技の勉強をする
- アルバイトを頑張る(貯金、社会経験のため)
大学生から声優になるには?
「大学生から声優になるのは遅い?」と不安に思う人も多いかもしれません。
しかし、大学生から声優を目指してデビューしたプロは意外とたくさんいます。
その1人が、土岐隼一さんです。
こちらの動画では、土岐さんが大学生から声優を目指したエピソードが語られています。
(2:24〜 「土岐隼一の学生時代」)
土岐さんは大学3年生の時に、就職活動が始まったタイミングで「声優ってどうやってなるんだろう?」と考えたそうです。
インターネットで声優のなり方を調べ、大学4年生で色々な声優専門学校や声優養成所へ見学へ行きました。
声優専門学校へ通うとデビューが25歳頃になるため、当時は不安を感じていたそう。
アミューズメントメディア総合学院に見学へ行った際に年齢のことを相談したら、「君がここでどれだけ頑張れるか次第だよ」と言われ、入学を決意したというお話をされています。
土岐さんのようにしっかりと情報収集をして、声優専門学校や声優養成所で意欲的に学べば、声優になれる可能性は十分あるでしょう。
社会人から声優になるには?
社会人から声優を目指すのも、決して遅くありません。
ただし、声優養成所には「20代まで」といった年齢制限がある場合も。
社会人の場合、年齢制限のない声優養成所を選ぶ必要があります。
または、声優専門学校なら年齢制限の上限を設けていないことも多いので、声優専門学校で勉強するのもおすすめです。
レッスンが週1〜2回の学校なら、仕事と両立もできます。
夜間や土日にレッスンのある学校も多いので、比較すると良いでしょう。
声優を目指す適正年齢はいくつ?
一般的には、高校を卒業し、声優専門学校や声優養成所に通ってから声優を目指すため、高校卒業後が声優を目指す適正年齢だと考えられます。
実際に、声優デビューの年齢は10代〜20代が一般的です。
ただし、それ以外の年齢では声優になれないというわけではありません。
職業という意味で捉えると、声優の仕事には年齢制限はありません。
声優として役の仕事をもらえれば、そのアニメが終わらない限り、一生現役で仕事を続けられる可能性もあるでしょう。
しかし「声優になる」という観点で見ると、少し事情が変わってきます。
声優養成所の入所オーディションで、年齢制限が設けられる事があるからです。
声優養成所によって異なりますが、年齢制限が設けられている場合、その数値は18歳〜25歳に設定されていることが多くなっています。
声優になれる確率について
声優志望者は全国で30万人いると言われていて、そのうちデビューできるのは1万人前後。
つまり、声優デビューできる確率は3%程度と考えましょう。
特に、人気の声優事務所には人気が集中し、入所オーディションは合格者数名に対して1,500名〜2,000名ほどの応募があるのも珍しくないそうです。
高い倍率を勝ち抜くのは、やはり声優専門学校や声優養成所で学んだ学生がほとんど。
学校では技術力を身に付けるだけでなく、オーディション対策もしっかり行われるからです。
大阪アミューズメントメディア専門学校は、業界進出希望者のうち61.7%が声優事務所に所属しています。
他の学生も声優養成所や劇団に所属し、声優デビューの道へ進んでいます。
声優になれる確率だけを見ると不安に感じるかもしれませんが、サポート体制がしっかり整った学校を選べば、声優になれる可能性は上がるでしょう。
そのため、学校選びは非常に大切です。
気になる声優の年収について
声優の収入は歩合制で、仕事をやればやるだけ給料が上がります。
そのため個人差が大きく、「平均年収いくら」と断言することはできません。
また、新人のうちはどうしても収入が少なくなってしまい、アルバイトと掛け持ちをする声優も多いようです。
このような厳しい状況を改善するため、声優事務所の中には固定給+歩合制を採用しているところもあります。
固定給があれば仕事が少ない期間も一定の給料がもらえるため、新人でも安定した生活を送ることができるのです。
仕事別のギャラの相場
声優は仕事によって収入の相場も変わります。
声優の代表的な仕事の収入を、それぞれ紹介しましょう。
・アニメ
アニメのアフレコのギャラは、日本俳優連合で定められたランクを元に決まります。
新人期間はジュニアランク扱いで、作品1本につき15,000円。
新人期間が終わると、ランク別に30分の尺につき15,000円〜45,000円です。
ベテランの「ノーランク」になると、ギャラを交渉できるようになります。
・ゲーム
ゲームは比較的相場が高く、1ワードいくらで計算されます。
新人なら1ワード30円、人気声優なら1ワード200円ほどです。
アニメのアフレコと違い、セリフの量が多ければ多いほどギャラも上がります。
ゲームの制作本数が増えているため、ゲームのアフレコの仕事の需要も高まっています。
・ナレーション
ナレーションは、声優の仕事の中でも特に相場が高いです。
ギャラの相場は、テレビ番組なら1本10万円、CMなら100万円ほど。
ナレーションは拘束時間が短く、1日に何件も掛け持ちできるため、稼ぎやすい仕事でもあります。
しかしナレーションを担当できる声優には、ある程度の人気や実力が求められます。
・海外映画の吹き替え
海外映画の吹き替えは、アニメと同じくランク制で決まります。
収録は1日がかりになることも多く、ギャラの面だけ考えるとやや割に合わないという意見も。
ただし、海外映画の吹き替えの多くは、オーディションではなく制作側からの指名で決まります。
やりたくても簡単にはできない仕事というわけですね。
そのため、海外映画の吹き替えは名誉ある仕事とも言われています。
・ラジオ
ラジオの仕事のギャラは、1本につき5,000円〜10,000円とやや低めです。
しかし声優にとって、ラジオ出演は報酬以上に魅力的な仕事です。
理由は、ラジオがきっかけでファンが増えるケースが多いからです。
ファンが増えれば、アニメなどの作品で起用される可能性も高くなるでしょう。
また、人気が出てラジオ番組のレギュラーが持てるようになれば、ラジオの仕事での報酬はさらにアップします。
声優になるには何が必要か?
声優になるには、
声の質や発声方法なども重要ですが、その他にも以下のようなスキルが求められます。
- 表現力・演技力
- コミュニケーション力
- 自己プロデュース力
自分には何ができて何が足りないのかをあらかじめ把握し、足りないところは補い、良いところは伸ばせるよう鍛錬に励みましょう。
表現力・演技力
声で人を魅了させる様になるには並々ならぬ努力が不可欠です。
中でも表現力と演技力は欠かせません。
発声練習などの徹底的な基礎力強化を高める方法はもちろん、台本を読み解く力、いわば読解力や想像力も必要とされていきます。
登場人物の感情を自分なりに理解しなければ、無機質な表現をしてしまうかもしれません。
そして仮に自分なりに読解したとしても、それを声に乗せるだけの表現力や演技力がなければ、人を魅了できるだけの声は届かず、仕事になりません。
人の心を響かせるだけの声の表現力と演技力を身に付ける方法は容易ではありません。
しかし、それがやりがいに繋がっていると語っている声優は多くいます。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は声優に必要ない能力だと思われるもしれません。
しかし、コミュニケーション能力がある方が仕事でも後々役立つ事が多くあります。
オーディションに参加したいと思っても、所属するプロダクションからメンバーに指名されなければなりません。
コミュニケーション能力があると、プロダクションのマネージャーや仕事に繋がる人にアピールできる機会に恵まれます。
また声優として制作現場に赴いても、コミュニケーション能力が高い方が、周囲との協調性を計りながら円滑に仕事を進めていける環境を自ら構築できるでしょう。
加えて声の実力も伴っていれば、クライアントから役に抜擢されるという事も十分にある話です。
自己プロデュース力
「自分が周りの人からどのように見られているか」という自分を客観視する能力も重要です。
近年、声優はタレントのように扱われることが多いため、外見はもちろん人として魅力的であるかどうかもオーディションの時の重要な選考ポイントになります。
外見が大事といっても、もともと美人やイケメンでないと声優デビューできないというわけではありません。
大切なのは清潔感であり、髪型やメイク、服装が綺麗に整えられている状態が好ましいです。
自分の外見の特徴を理解して綺麗に見せるのも、自己プロデュースのうちの1つと言えます。
また、最近ではSNS上の自己プロデュース力も見られることが多くなりました。
自分自身の魅力や強みを理解することは表現力の向上にもつながるので、自分をプロデュースするつもりで常に俯瞰してみましょう。
声優に向いている人の特徴
声優になりたいと考えている方のなかには「普通の声だけど声優になれるのかな」「自分は果たして声優に向いているのか」と不安に思っている方もいるでしょう。
声優に向いているかどうかは、スキルだけでなく性格や人間性が大きく関わります。
声優に向いている人の主な特徴は以下のとおりです。
・精神力がある
・感受性が豊か
・素直に人の意見に耳を傾けられる
精神力がある
声優業界は競争が激しく、声優の仕事だけで生活できる人は限られています。
声優として成功の切符を掴むには、とても長く険しい道のりを歩かなければいけません。
仮にプロダクションに所属できたとしても、経済的または精神的な理由で引退を決断する人もたくさんいます。
一方で、30代になってから声優として活躍し始めている人が多くいるのも事実です。
早くに芽が出なくても、日々の努力を欠かさずにいれば、才能がいつか花開くときがやってきます。
ただし、それまで踏ん張り続けるためには、なかなか仕事がこなくても自分を信じて技術を磨き続ける精神力が必要です。
感受性が豊か
作品のおもしろさや感動を伝えるには、キャラクターの心情や性格を理解し、的確に表現する必要があります。
とくに声優は、俳優などとちがって声だけで感情を表現しなくてはなりません。
現実には存在しないキャラクターの性格や感情を原作や台本から読み解くには、声優自身の感受性が重要です。
キャラクターを心の底から理解し、なりきって表現することができれば、そのぶんキャラクターの性格や感情を正確に再現し、場面にぴったりの声を提供できます。
素直に人の意見に耳を傾けられる
声優としての技術を磨くには、人の意見に耳を傾けられる素直さも重要です。
収録現場ではその場で修正の指示を受けたり、間違いを指摘されたりすることがよくあります。
そういった場面で自分の間違いを認められない、他人の意見に素直に耳を傾けられない人は、成長の機会を失うばかりか周囲からの印象も悪くなってしまいます。
また、普段の授業や自主練習でも自分の苦手な部分やできていない部分を素直に認められないようでは、なかなか上達しません。
とくに新人の頃は周囲からの指導や助言はありがたく受け止め、自身のスキルアップに活かすようにしましょう。
声優になるための家でできる練習方法
発声声優として活躍するためには、いつでも求められた声を出せるように取り組む必要があります。
ベテランの声優でも、毎日発声などの基礎練習を欠かしません。
声優になるためにそして声優として長く活躍するために必要な練習方法に以下のようなものが挙げられます
・滑舌の練習
・発声練習
・アフレコ
・朗読
・筋トレ
腹式呼吸
お腹を使った深い呼吸法である腹式呼吸は、歌手や声優など声を使う仕事の基本です。
胸式呼吸よりも深く息を吸えるため、大きな声や高い声が出しやすい、長いセリフを喋りやすいというメリットがあります。
また、息の量をコントロールしやすいため表現に幅を持たせることができるのも特徴です。
腹式呼吸のやり方は、まず、お腹を膨らませるイメージで鼻からゆっくり息を吸いこみます。
その後、お腹をへこませるイメージでゆっくり口から息を吐き出しましょう。
おなかを使ってしっかり呼吸できるようになったら、今度はそこに声をのせる必要があります。
声を出した時に、腹部にあてた手からかすかな震えが感じられれば、お腹から声が出ている証拠です。
最初は「あー」などの単音で構いませんので、意識せずとも腹式呼吸で発声できるよう練習に励みましょう。
滑舌の練習
キャラクターのセリフをきちんと視聴者に届けるためには、滑舌が大切です。
たとえ声の大きさや高さが合っていても、滑舌が悪いと話している内容を正しく伝えることができません。
また、苦手な音があると噛まないように注意が向くため、表現力にも支障が出てしまいます。
簡単に実践できる滑舌の練習方法としては、早口言葉が挙げられます。
例えばカ行の発音が苦手なら、「規格価格か駆け引き価格か」(キカクカカクカ カケヒキカカクカ)など、苦手な音が含まれている早口言葉を重点的に練習するとよいでしょう。
>>声優になるなら滑舌トレーニングが必須!すぐに実践できて自信がつく9つの方法
発声練習
滑舌や1音1音を明確に発音するため、また音程の調整のために発声練習をすることは、声優として必要不可欠な基礎練習方法です。
どんなに売れっ子の声優だとしても、日々の発声練習は必ず続けています。
発声の際には、腹式呼吸がとても重要ですので、必ず腹式呼吸の方法を身に付けるようにしましょう。
アフレコ
アフレコとはアフターレコーディングの略で、アニメや映画などすでにできあがった映像に合わせて音声を録音することです。
声優の仕事内容のなかでも最もオーソドックスといえるため、何度も繰り返し練習し、技術を磨く必要があります。
アフレコは、身近にあるものを使って自宅で気軽に練習が可能です。
タブレットやテレビでアニメなど好きな映像を消音で再生し、それに合わせてセリフを喋ってみましょう。
映像と自分の声が入るようにスマホなどで録画すれば、それを見返すことで自分の癖や改善すべき点がわかるため、技術の向上が図れます。
朗読
詩集や小説、そして台本の朗読は、声優としての表現力と演技力の向上を手助けてしてくれます。
自分なりに登場人物の感情を理解し声で表現しなければならないので、想像力が必須となります。
そのためには読書ももちろん大切ですが、実際に声を出すことで、新たに気付ける点は多いのではないでしょうか。
また、男性キャラクター、女性キャラクターのどちらも練習する事もオススメです。
仕事の中では女性が男性のキャラクターの声を演じることもあれば、男性が高い声のキャラクターを演じることもあります。
朗読の練習は自由にできるので、声を出して練習することは全て自分の経験になるので試してみましょう。
朗読の際には、きちんと1音1音を明確に声に出して発音するように心掛けましょう。
筋トレ
筋トレは一見声優には関係ないかもしれませんが、実は意外とあるのです。
例えば長い台詞を喋らなければならない時には、肺活量があった方がいいですよね。
感情を声に乗せるとき、表情にも喜怒哀楽が表出してしまうくらいに表情筋が鍛えられていれば、より感情が声に上乗せできるかもしれませんよね。
無駄に余計な筋肉を付け過ぎてしまうのはかえって逆効果ではありますが、表情筋や横隔膜、そして体幹を鍛える事は、声の発声が豊かになり、声優の仕事にとってプラスになります。
こちらの動画では、声優の土岐隼一さんがボイストレーニングについて紹介しています。
土岐さんが日頃から大切にしているのは、しゃべり続けることです。
喉は筋肉なので、使えば使うほど鍛えることができます。
プロの声優は1日中アフレコをしているため、長ければ10時間は声を出していることになります。
対して、仕事の少ない新人声優や声優志望者は、レッスンをしていても声を出す時間は3時間ほど。
この差を埋めるために、普段から本を音読するなど、しゃべり続けることを意識しているそうです。
ただ、やみくもに声を出し続ければ良いわけではなく、しっかり休むことも必要だと言っています。
土岐さん自身も仕事の後はなるべくしゃべらず、できれば8時間は睡眠をとって喉の筋肉を回復しているのだとか。
まとめ
声優業界の競争はとても厳しく、簡単に声優になれるわけではありません。
しかし、未経験からチャレンジして声優デビューした人もたくさんいます。
声優になるには、情報を集めて「自分のやるべきことは何だろう?」と常に考えて行動することが大切です。
1人で考えるのは難しいかもしれませんが、声優専門学校ならプロの声優や業界に詳しいスタッフが、どうすれば声優になれるかを一緒に考えてサポートしてくれます。
「自分は自信がないから」と諦める前に、まずはプロに相談してアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか。
声優専門学校のオープンキャンパスや、声優養成所の見学会で、今抱えている悩みや将来への不安を相談してみてください。
大阪で声優を目指されている方は「大阪アミューズメントメディア専門学校」で学びませんか?
大阪アミューズメントメディア専門学校の声優学科は、昨年300名を超える在校在校生がインターンシップによりプロの現場で仕事をし、業界進出希望者61.3%がプロダクションへ直接所属しています。
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監修・運営者情報
監修・運営者 | 大阪アミューズメントメディア専門学校 声優学科 |
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