C++を使ったゲーム開発方法は？ 初心者におすすめのプログラミング用語も紹介

C++とは

C++（シープラスプラス）とは、「C言語」にオブジェクト指向の機能を追加したプログラミング用語です。

「シープラプラ」や「シープラ」と略称されて呼ばれることもあります。

C言語がバージョンアップしたようなもので、C++のもととなってるC言語と互換性があり、C言語と同様に汎用性が高く実行速度が早いのが特徴です。C言語の知識を活かしてC++を習得する方も多くいます。

冒頭でも紹介しているように「Webアプリ、人工知能（AI）、ゲーム、業務システム、ロボット技術、組み込み技術、IoT技術」など、大量のデータ処理を高速で行うことが求められる大規模なシステム開発に活用されています。

実際に、「Google Chrome」や「金融・官公庁のシステム」などに活用されていることからも、信頼性の高い言語であることがわかります。

また、オランダの「TIOBE Software」がプログラミング言語の人気ランキングを発表する「TIOBE Index 」において、2023年12月現在の順位はＣ言語に次ぐ3位と、数あるプログラミング言語の中でも人気の高い言語です。

C言語との違い

C言語との主な違いは以下の4つです。

• オブジェクト指向のプログラミング言語
• ジェネリックプログラミングの使用が可能
• クラスがある
• 例外処理が可能

そもそもC言語とC++は言語構造が大きく異なります。C言語は「手続き型プログラミング言語」ですが、C++は「オブジェクト指向のプログラミング言語」であり、C言語に比べて開発効率が優れています。

さらにC++ではデータに依存しない「ジェネリックプログラミング」が可能なため、C言語よりも汎用性の高い言語です。

Ｃ言語ではデータ構造の定義に「struct」という機能がありますが、C++ではstructに「クラス」の機能が追加されています。それにより、C++ではデータの構造体と関数を一度に管理することが可能です。

またC++は、C言語ではできない「例外処理（エラー発生時の処理）」が可能です。

C#とは

C言語・C++と似た名前の言語に「C#」がありますが、これは２つの言語とは全く系統の異なるプログラミング言語です。

C#は、C++とjavaの機能をもとにMicrosoft社によって作られています。独自の機能も搭載されていることから、C言語・C++との互換性はありません。

C#は、「Unityを使ったゲームや、Windowsアプリ、スマホアプリ、検索エンジン、ポータルサイト、仮想現実コンテンツ（VRやARなど）」などのシステム開発で主に使われています。

C++に比べて難易度が低いため、初心者の方におすすめの言語です。また、javaを習得している方も学びやすいのでおすすめです。

C#に関して詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

C++をゲーム開発に使うメリット

C++には、ゲーム開発に欠かせない「画像表示やオーディオ、ビープ音」といった機能はありません。

しかし、C++は多くのゲーム開発に活用されています。

この章では、ゲーム開発にC++を利用するメリットをご紹介します。

ハードウェアの制御が得意

ゲームでは、画像データなど多くのデータを取り扱いますが、ハードウェア制御が得意なC++はそれらを高速で処理することが可能です。

特に、大量のデータ処理や、早い・激しい動作が求められるゲームでは、その特性を活かすことができます。

複雑な言語処理にも対応できる

近年のゲーム業界では、オンラインゲームのように規模の大きいゲームや、解像度の高いグラフィックのゲームなど、複雑な処理が求められるゲームが増えています。

複雑な処理を実行するには大きな負担を伴いますが、C++は高負荷な処理にも対応し、高速で処理することが可能です。

C++が使われているゲーム

C++は、有名なゲームエンジン「Unreal-Engine」の開発に活用されています。

Unreal-Engineは3D技術において特に優れており、Unityに次いで二番目に世界シェア率の高いゲームエンジンです。

以下はUnreal-Engineを使って開発されたゲームの代表例です。

• Fortnite（フォートナイト）
• FINAL FANTASY VII REMAKE
• ドラゴンクエストXII
• ストリートファイターV
• スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー

このように、世界中のプレイヤーと繋がれるオンラインゲームや、スピード感の求められるアクション系のゲームなど、複雑で高負荷な処理が求められるゲーム開発に活用されています。

C++でゲームを開発する方法

C++でゲームを開発する際の大まかな流れを紹介します。

C++でのゲーム開発に必要な知識

C++でゲームを開発するには、C++の知識に加えて、以下のようなゲーム開発に関連する知識の習得も必要です。

• プログラムの構造
• ゲーム開発におけるアーキテクチャ
• 画像やサウンド　など

C++の知識だけでゲーム作りはできないため、ゲーム関連の知識も習得しましょう。

また、以下の記事では、プログラミングを使う場合と使わない場合の2パターンのゲーム開発方法を紹介しています。ゲームの作り方の手順や必要なものを、初心者の方向けにまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

手順①ゲームのコンセプトを明確にする

まずは作りたいゲームのコンセプトを明確にします。

ゲームの目的や使用するプラットフォーム、ストーリー、登場するキャラクターなど、ゲームの核となる設定を決めましょう。

始めはゲームの規模を小さく設定することがおすすめです。

手順②開発環境を整える

次にゲーム開発に必要なツールを用意します。

その手段として、以下２つの方法があります。

• 統合開発環境（IDE）をインストールする
• ゲームエンジンを活用する

IDE（Integrated Development Environment）とも呼ばれる「統合開発環境」は、ソフトウェアの編集、構築、パッケージ化などなど、ゲーム開発に必要なさまざまな機能が揃っているソフトウェアです。
代表的なものには「eclipse」「Visual C++」「Code::Blocks」などが挙げられます。

また、ゲームエンジンも開発コンソールやゲーム用のライブラリ、素材など、プログラミング知識がなくても効率よく品質の高いゲームを作ることができるソフトウェアです。
代表的なものには「Unity」「Unreal Engine」「Cocos2d-x」などが挙げられますが、UnityでC++を使うにはDLL化が必要です。

ゲーム開発に必要なツールを手動ですべて用意することも可能ですが、上記のソフトウェアを活用することで、効率よくゲーム開発を勧めることができます。

自分の開発したいゲームの規模や予算、使用するプラットフォームに対応しているソフトウェアを選択しましょう。

手順③アーキテクチャを設計する

アーキテクチャの設計では、プログラムの構造を具体的にします。

自分の考えた設定をゲームに反映させるために、どのようにプログラミング言語で表現するか、どのような仕組みで変数や関数などをプログラム上に作製するかなどを考えます。

手順④プログラムの実装・デバックを繰り返して仕上げる

設計したアーキテクチャをもとに、実際にプログラムを書いていきます。
プログラムを実装したら、実際にゲームをテストし、エラーやバグが起きている箇所を修正します。

このようにテスト・デバッグを繰り返してゲームを完成させます。

初心者におすすめのプログラミング言語

C++は文法が複雑で習得が難しいうえに、小さなミスが重大な不具合の原因となることもあるため、初心者の方には難易度が高く感じることも多いと思います。

初心者の方は、以下の言語から学習するのがおすすめです。

• C#（シーシャープ）
• Ruby（ルビー）
• Python（パイソン）

また、以下の記事では、C++をはじめとしたゲーム開発に欠かせないプログラミング言語についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

C++でのゲーム開発を成功させるコツ

C++を習得してゲームを開発するには、挫折しない環境を作り、成功体験を積むことが重要です。

C++でゲーム開発を成功させるコツを紹介します。

同志を見つける

ゲーム開発に限らず、一人での学習や挑戦は「挫折・飽き」を招きやすいです。

C++でのゲーム開発をしている同志を見つけ、悩みや情報を共有したり、励まし合ったりすることで、挫折しにくい環境を作ることができます。また、お互いの存在が刺激となり、成長速度を格段に上げることができるでしょう。

小さい規模から始める

C++は大規模なシステム開発で使われることが多いですが、操作が難しいため、はじめのうちから大規模なゲーム開発を試みると挫折に繋がりやすいです。

まずは規模の小さいゲーム開発から始めましょう。
ゲーム開発の一連の流れや必要なスキルの習得や、成功体験を積むことができます。

プロのアドバイスを得る

文法の複雑なC++は、独学での習得が難しいです。

専門学校などで学ぶことで、正しい知識を体系的に習得できるだけでなく、プロ目線のアドバイスを得ることができます。　　

実際に現場で活躍するプロに教わることで、自分にはない新たな視点に気づけたり、業界の最新の情報を知れたりすることができます。

まとめ

C言語をもとに作られたC++は、歴史が古いこともあり、JavaやPython、PHPなど他の言語の基礎になっています。
C++をマスターすることで、プログラミング言語に対する理解を深めることができるため、ゲーム開発を本気で志している方はC++を習得することがおすすめです。

とはいえ、先述したとおりC++は習得の難しい言語なので、まずは難易度の低いプログラミング言語の学習から始めたり、小規模のゲーム開発を成功させたりすることで、ゲーム開発の楽しさを学びましょう。