現在漫画家として仕事を始めている方や、漫画家になりたい方どちらにとっても重要なことがあります。
それは漫画家の将来性についてです。趣味や好みの多様化や、電子書籍やインターネットの発展による出版不況が続き、少なからず漫画家にも関係がある事象です。
漫画家は、主に月刊誌や週刊誌などの連載や、連載に伴う単行本の印税などが主だった収入です。しかし出版不況が続けば、前述の収入も減少してしまいます。
今回は漫画家の将来性について、現状から紐解きつつ解説していきます。
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漫画家の現状とは
漫画家の現状についてですが、週刊詩や月刊誌といった紙媒体の売り上げが減少傾向となっているため、このような連載を中心に考えた場合良い状況とはいえません。
冒頭でも触れましたが紙媒体の顧客は、電子書籍やインターネット、SNS、アプリを利用できるスマートフォンやタブレットで情報を、無料もしくは低コストで得られるので減少しています。
特にスマートフォンの普及率が急激に高まったことでアプリの利用率も増え、紙媒体の漫画だけでなく漫画アプリへの需要も高まっている傾向です。
このような動きは出版業界側から見ると、出版不況といえる現状ですし解決策を見出すことも難しい状況となります。
工夫次第で収入アップも可能
一般的に出版不況といわれる現状のため、漫画家として活動を続けるあるいは今後漫画家を目指すことを諦めようと考える方もいるかと思います。
しかし、高度情報化社会となった現代では、紙媒体の漫画にこだわるのではなくITを活かすなど、工夫を加えることで切り抜けられる可能性もあります。
今すぐ取り組める工夫としては、デジタルイラストの作成技術を覚えることです。デジタルイラストは紙と比べて作業効率を上げられ、結果的にアシスタントを呼ばずに作業を進められます。つまりアシスタント料を抑えることが可能です。
他にもWeb業界へ参入することも、収入をアップする方法の1つです。最近では漫画アプリやウェブ漫画サービスも立ち上がっていて、漫画家が自身の作品を掲載できる新たな場所として活用できます。
また、SNSで自身のブランディング(価値を高めるなど)を行うことで、知名度アップと作品の宣伝効果も期待できるでしょう。しかしSNSの活用は、「炎上」に繋がらないよう慎重な運用も必要です。こちらは後述で詳しく解説します。
漫画家の将来性とは
漫画家の将来性は、今から何をするのか・どのような方向性で活動していきたいのか、といった明確な目標や目的と、工夫次第で大きく変わります。
工夫とは、作品を出す場所を増やすことや制作環境の変化、将来の目標を明確にするなど様々な事柄です。
つまり出版不況自体は今後良くなる可能性は考えにくいものの、漫画家は本人の工夫次第で将来性を高めることができます。
より良い将来性とするためには
漫画家の将来性をより良いものとするためには、何度か解説している「工夫」が必要になります。裏を返せば今後工夫しなければ出版不況と同じく、収入減少を加速させてしまいます。
漫画家としての将来性を良くするための工夫とは、まず制作環境と宣伝の2点について考えるといいでしょう。
制作環境の工夫とは、作業の効率化を目指すことです。漫画家の収入は主に原稿料と印税収入の2つになります。印税収入は作業時間と関係なく、売り上げに比例するため漫画家自身で工夫できる所は少ないです。
しかし原稿料の場合はページ数によって変動するため、少ないアシスタント数で迅速に作業を行える程、相対的に収入を上げられます。ですので、効率的な作業ができる環境を作ることが、収入アップと関係のあるポイントになるでしょう。
もう1つのポイントである宣伝は、単純に知名度を上げることで単行本の売り上げや仕事の窓口にもなり得ることです。
それでは上記2点について具体的に解説していきます。
デジタル環境へと整える
漫画家としての将来性を良くするポイント1つ目は、デジタル環境へと整えることです。デジタル環境とは、パソコンと専用のソフト・ペンタブ・スキャナを用意します。
ノートパソコンでもソフトを動かすことはできますが、容量やスペック面で課題もあるため20~30万円程度で購入できるデスクトップパソコンをおすすめします。また、モニタは、解像度が高く大きなタイプを選びましょう。
画素数が荒かったりノイズが入ったりするモニタでは、仕事に影響するので1万円や5万円クラスの、目安20インチ以上などから探すのもおすすめです。
また、デジタルイラストの描き方ですが、下書きからペンタブを使って描く方法と、紙で下書きを描いてから仕上げをパソコンで行う方法などがあります。
まずは機材の準備と使い方を覚えましょう。
SNSなどで宣伝を行う
漫画家としての将来性を良くするポイント2つ目は、SNSなどで宣伝を行うことです。
紙媒体だけでは漫画家としての宣伝方法が限られているため、編集者や消費者へ知られる機会が少ないです。
一方SNSやウェブサービスを活用すると、低コストで宣伝効果を上げることができます。たとえばX(Twitter)は、自身の作品紹介や単行本発売日の宣伝ができますし、ファンとのコメント内での交流も可能です。また、公式ラインを開設することで、宣伝だけでなく漫画家としての力を活かせる、LINEスタンプの発売ができます。
他にもSNSは、自身のブログやウェブサイトのリンクを貼ることができるので、集客力アップにも活かせるのも魅力です。
しかし注意点もあります。それは漫画家としてのSNSとプライベートSNSを分けるか、それとも漫画家とプライベートの線引きをせず使うかです。
仕事とプライベートを分けたいのであれば前者の方がいいです。メリットはプライベートな情報流出防止と、個人的な発言による炎上を回避できます。ただし、インフルエンサーになるためには、漫画家としての情報だけでなく多少の個人的な発言も必要です。いわゆるタレントになるようなイメージでしょう。
一方、特にプライベートと分けるのが面倒と感じるのであれば、それぞれ分けない方法もありです。漫画家に対するファンも増え、漫画家個人で作成したグッズなども売ることができます。しかし、個人としての発言に影響力が出始め、プライベートな発言や行動にリスクも伴う点に注意です。
理想の漫画家に沿って、どのような宣伝活動を行うか決めましょう。
まとめ
漫画家の将来性について考える時は、出版不況とは切り離して考えることも大切です。なぜなら漫画家の活動範囲は、出版社と異なるからです。
出版社の場合は電子書籍などデジタル化へ切り替えられますが、個人ではないためすぐに切り替えられない事情もあり、なかなか出版不況の波を乗り越えるのは難しいでしょう。
一方漫画家は連載していても、基本的に個人事業主ですのでデジタルな環境へ身を置くことも、比較的簡単です。
漫画家は工夫次第で将来性もより良くできるので、この記事を読み終わったら早速デジタル環境整えたり、SNSの準備をしてみたりしましょう。
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