CGデザイナーを目指す方のなかには、「CGデザイナーは稼げないからやめとけ」という意見を聞いて悩んでいる方も多いと思います。
CGデザイナーの一般的な収入は低いイメージがあるかもしれませんが、能力や働き方次第では年収1,000万円以上を目指すことも可能です。
今回は、CGデザイナーの平均年収・月収や年収の特徴、収入アップの方法などについて解説します。
そもそもCGデザイナーとは?
CG(Computer Graphic)デザイナーとは、2DCGや3DCGの専用ソフトを使ってデザインを制作する仕事です。デザイナーの描いたデッサン画に、モデリングやアニメーションといったさまざまな効果を加えて実在感を与えます。
CG技術は、アニメ・映画・ゲームなどの映像作品や建物・車の設計図、AR・VRを用いたCMなどあらゆる業界で用いられており、CGデザイナーは幅広い分野で活躍できる職業です。
CGクリエイターとの違い
CGクリエイターとは、CGデザイナーと同様にCG技術を用いて作品を制作する仕事です。
両者に明確な違いはありませんが、一般的には、CGを使ってデザインを手掛ける人はCGデザイナー、CGを使って映像制作をしたりあらゆる作品を生み出したりしている人はCGクリエイターと呼ばれています。
CGデザイナーの平均年収・月収
厚生労働省の運営する『jobtag』によると、CGデザイナー・CG制作者(2DCGデザイナー、3DCGデザイナーなど)の平均年収は509.3万円、ハローワークにおける求人賃金の平均月額は25.8万円です。
日本の平均年収は460万円(国税庁による『令和5年分民間給与実態統計調査』より)のため、CGデザイナーの平均年収は日本の平均を上回っています。
ただし、CGデザイナーの年収はバラつきやすく、100万円台の人もいれば1,000万円以上を稼ぐ人もいます。
一般的なCGデザイナーの年収は、おおよそ300万〜500万円程度が目安でしょう。
CGデザイナーの年収の特徴
CGデザイナーの年収には、以下のような特徴がみられます。
- 年代とともに上がりやすい
- 働く環境によって変わりやすい
- スキルが高いと上がりやすい
これらはCGデザイナーの年収がバラつきやすい理由としても挙げられます。
それぞれの特徴について解説します。
年代とともに上がりやすい
CGデザイナーの平均年収の金額は、年代とともに上がる傾向がみられます。
実際に、転職会議がCGデザイナーの社員/元社員におこなった年収に関する調査では、年齢ごとに以下のような推移がみられました。
年齢 | 平均年収 |
20代前半 | 296万円 |
20代後半 | 346万円 |
30代 | 417万円 |
40代以上 | 517万円 |
参照:CGデザイナーの年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計) | 転職会議
ただし、年齢が上がったら収入も必ず上がるわけではありません。
CGデザイナーの仕事は専門性が高く、技術の高さを重視する実力社会の側面があるため、培ってきた経験や実績、技術力が年収に反映されていると考えられます。
働く環境によって変わりやすい
CGデザイナーには、企業に勤める“会社員”と個人事業主として活動する“フリーランス”がおり、会社員とフリーランスでは収入に差が生じやすいです。両者のうち、実力が給与に反映されやすいフリーランスの方が年収が高い傾向にあります。
実際、転職会議の調査によると会社員CGデザイナーの平均年収は374万円、フリーランススタートの調査によると、フリーランスの3DCGデザイナーの平均年収は730万円という結果が出ています。
また、同じ会社員であっても雇用形態によって収入が変わりやすく、働く会社や地域、役職の有無なども年収の差に影響を与えます。
スキルが高いと上がりやすい
先ほど説明したように、CGデザイナーの業界は実力社会の側面があるため、スキルの高いデザイナーは年収が高くなる傾向にあります。
実際、優秀なCGデザイナーがフリーランスに転身することを防ぐため、待遇を改善する会社も増えています。
CGデザイナーの収入をアップさせるには
それでは、CGデザイナーが収入をアップさせるためには具体的に何をしたらいいのでしょうか?
CGデザイナーの収入をアップさせる方法として、以下の5つを紹介します。
- 資格を取得する
- 自分に合う会社に転職する
- 管理職・マネジメント職に就く
- 副業する
- フリーランスとして独立する
それぞれの方法について解説します。
資格を取得する
CGデザイナーの仕事に関連する資格を取得することで、技術力や意欲の高さを証明することができ、昇給につながったり就職・転職の際にも役立ったりする可能性があります。
以下の資格取得を検討してみましょう。
- CGクリエイター検定
- CGエンジニア検定
- 画像処理エンジニア検定
- 色彩検定
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- Illustratorクリエイター能力認定試験
自分に合う会社に転職する
今の会社の雇用形態に不満がある場合は、転職を検討しましょう。
自分の強みと会社のニーズがマッチしたり、個々のスキル・実績が正当に評価されたりする会社を選ぶことで、収入アップの転職が期待できます。
管理職・マネジメント職に就く
CGデザイナーは、キャリアを積むうちにリーダーやディレクターなどのマネジメント業務を任せられる可能性が高く、管理職・マネジメント職に就くことで収入アップが期待できます。
管理職・マネジメント職には、自分の業務だけでなく、他のCGデザイナーを統括しながらプロジェクト全体を進めることが求められます。
副業する
CG制作の案件は単価が高く、1本あたり平均60万円ほど、なかには100万円以上するものもあります。本業とは別に、副業としてCG制作の案件を請け負うことで、給料にプラスしてお金が入り収入アップが期待できます。
ただし、生活リズムが乱れて本業に支障が出ないよう、本業にゆとりのある時に案件を引き受けるようにしましょう。
フリーランスとして独立する
会社員としての働き方に限界を感じた方は、フリーランスとして独立することもおすすめです。
フリーランスは自分の裁量で働き方を調整でき、仕事量に応じた収入を得られるため、自分次第で収入を大幅にアップさせることができます。
ただし、スキルや実績の不足している状態で独立すると仕事をとれない可能性があるので、企業である程度経験を積んでからフリーランスに転身することをおすすめします。
CGデザイナーの収入アップに必要な3つのスキル
CGデザイナーが収入をアップさせるためには、以下3つのスキルを身につけることがおすすめです。
- デッサンスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
それぞれのスキルについて解説します。
デッサンスキル
CGデザイナーは、イラスト的な絵の上手さよりもデッサンスキルの高さが重要です。
CG制作では、物の形状や質感、陰影などを正しく捉える観察力や、それらを制作物に反映させる表現力が求められます。このような観察力・表現力は、デッサンスキルを磨くことで鍛えられます。
CGデザイナーの業界は実力社会のため、デッサンスキルを磨いて作品が評価される機会を増やすことで、結果的に収入アップにつながることがあります。
コミュニケーションスキル
そもそもCG制作はチームで進めることが多いため、CGデザイナーには、他のクリエイターと連携をとったりクライアントの意向を確認したりするコミュニケーションスキルが求められます。
収入アップが期待できる管理職・マネジメント職を目指す場合は、各クリエイターとコミュニケーションをとることはもちろん、チーム全体の指揮を執るための高いコミュニケーションスキルが重要です。
マネジメントスキル
管理職・マネジメント職に就くには、マネジメントスキルも欠かせません。
全体の進捗を確認しながら指導・調節を適宜おこない、プロジェクトをスケジュール通りに進める力が求められます。予期せぬトラブルに対応できるよう、リスク管理や問題解決スキルについても理解しておくことが大切です。
CGデザイナーに向いている人の特徴
CGデザイナーは、スキルの高さや働き方によっては高収入を望める仕事です。
ただし、経験・実績を積んで評価されるまでは年収が低い傾向にあることや、期日の間際は長時間労働になりやすいことなどから、CGデザイナーを諦めてしまう人も多くいます。
“絵を描くことが好き”という気持ちのほかに、以下の特徴がある人はCGデザイナーに向いています。
- 忍耐力・体力がある
- 発想力がある
- 向上心がある
それぞれの特徴について解説します。
忍耐力・体力がある
CGデザイナーの仕事はパソコン・机でおこなう業務が大半です。地道な作業でも集中力を保ち、業務に向き合い続ける忍耐力が求められます。
とくに、納期が近づくと1日中パソコン作業をしたり長時間労働したりすることが増えるため、精神的・体力的にそのような労働環境に耐えられない方は、CGデザイナーを続けることは難しいでしょう。
発想力がある
CGデザイナーはクライアントの意向に沿ってデザイン制作をおこないますが、曖昧な要望を伝えられることも多いです。
漠然とした指示・イメージからクライアントの意図を汲み取り、デザインを手掛けていく発想力が求められます。
向上心がある
CG制作の分野は、技術の進歩するスピードが著しいため、CGデザイナーとして活躍しつづけるには常にキャッチアップを続けて新しい技術・情報を学ぼうとする姿勢が大切です。
そのため、勉強熱心で向上心のある方はCGデザイナーに向いています。
CGデザイナーは将来性の高い職業
CGデザイナーは、幅広い分野で需要がある将来性の高い職業です。
CG技術はもともと映画やゲーム、アニメなどに多く使われていたため、CGデザイナーは基本的にエンターテイメント業界や広告業界で活躍していました。
しかし、近年ではCG技術の活用場面がさらに増えており、建築業や製造業、Web業界、AR/VR業界など幅広い分野で技術の導入が進んでいます。それに伴い、CGデザイナーの需要はどんどん高まっているため、CGデザイナーは非常に将来性の高い職業です。
とくに、AR/VR分野においてCG技術の需要増加が見込まれており、CGの市場規模は今後も著しい成長を遂げると予測されていることからも、CGデザイナーの需要は今後さらに高まると予想されます。
参照:市場調査レポート: コンピュータグラフィックス (CG) の世界市場 (2016-2030年):展開・用途・エンドユーザー・地域別の機会および予測
まとめ
今回はCGデザイナーの年収についてまとめました。
CGデザイナーの平均年収は509.3万円であり、日本の平均年収を上回っています。しかし、スキルの高さや働き方が収入に影響しやすく、一般的には作品や実力を評価されるまでは年収が低い傾向にあります。
CGデザイナーの年収を上げるには、労働環境の見直しや収入アップに役立つスキルの習得が必要です。
大阪アミューズメントメディア専門学校では、業界でトップクリエイターとして活躍するプロ教師の指導のもと、CGデザイナーを目指すことができます。
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