絵本作家になるには?仕事内容や絵本制作の流れ、必要な資格・スキルを紹介

絵本作家になるには?仕事内容や絵本制作の流れ、必要な資格・スキルを紹介

子どもには成長やよろこびを、そして大人には癒しを与えられる絵本。

そんな絵本を作る絵本作家になるには?

「絵が好き」「本が好き」という人や、「幼い頃に絵本を読んでもらった幸せな記憶がある」という人のなかには、今度は絵本を作る側にまわってみたいという人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、絵本作家になる方法や仕事内容、必要な資格・スキルなどを紹介します。

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この記事の監修者

大阪アミューズメントメディア専門学校 キャラクターデザイン学科では、大好きなイラストやデザインを仕事にするためのスキルを学びます。

就職・デビューどちらもサポートしているので、自由に働き方が選べるのも魅力です。

絵本作家になるには

絵本作家になるには美術系の学校で学んだ後、出版社に作品を持ち込む、絵本コンクールに応募するなどの方法が一般的です。

美術系の学校で学ぶ

絵本は、本のなかでも絵を中心となってストーリーを表現するものです。

このため絵本作家になるには、美術系の大学や短大、イラスト系の専門学校などで美術の専門教育を受けるのがおすすめです。

こういった機関で、一定の画力を身につけ個性を磨けば、後述する出版社への持ち込みやコンクールへの応募などの方法で、デビューできる確率がぐっと高まります。

また、専門学校のなかには、業界と太いパイプを持っているところもあります。こういったところに入学すれば在学中もデビューの機会に多く恵まれるほか、デビューに向けて手厚い支援が受けられます。

大阪アミューズメントメディア専門学校 キャラクターデザイン学科は、絵本作家が目指せる専門学校です。

デッサンなどイラストの基礎から、デジタルツールの操作方法など上級者向けの内容を2年間で学べます。

在学中からプロの商品開発に参加できる「産学共同プロジェクト」によって、児童書などの実績もつくれるため、デビューにも有利です。

出版社に作品を持ちこむ

出版社への持ち込みは、絵本作家としてデビューする一般的な方法の一つです。

原稿を出版社に持ち込み、作品や才能を評価してもらえれば、絵本作家としてデビューできる可能性があります。

ただし、編集者に認めてもらうのは簡単なことではないため、出版にいたるまで何度も、いろんな出版社に足を運ぶことになるでしょう。

断られることも多いですが、時には具体的なアドバイスがもらえたり、アドバイスをもとに修正したものを持ってきてと言ってもらえたりすることもあります。

自身の勉強のためにも、チャレンジする価値のある方法といえるでしょう。

コンクールで入賞を目指す

出版社などが開催している絵本のコンクールやコンテストに応募するのも、絵本作家としてデビューするチャンスです。

大賞をとれば応募作品がそのまま出版されることもあるでしょうし、佳作などでも実力があれば、じゅうぶん今後絵本を出版できる可能性があります。

有名な一般公募の絵本コンクールとしては、絵本作家の登竜門として知られる講談社絵本新人賞や、白泉社の絵本雑誌MOEが主催するMOE創作絵本グランプリなどが挙げられます。

また、山田養蜂場や日産など、出版社以外の企業でも絵本コンテストを開催していることがあります。

絵本作家の仕事内容

絵本作家の仕事は文字通り、絵本を制作することです。

赤ちゃんや幼児を対象としたものから、大人向けのものまで、さまざまな年齢を対象に絵本を制作します。

また、作品が有名になればグッズ化やアニメ化、メディアからのインタビューなどの仕事も出てくるでしょう。

童話作家との違い

絵本作家に似た職業としてはよ童話作家が挙げられますが、絵本は絵がメインであるのに対し、童話は物語がメインです。

絵本はすべてのページに絵があり、文章はあくまでも補助的な役割にとどまります。

それに対して童話における絵は、文章の理解を助けるため、あるいは装飾的な効果を狙ったものであり、すべてのページに挿入されるわけでありません。

また、どちらも基本的には子ども向けのお話ですが、絵本は0〜2歳など小さな子どもを対象とするものも多いです。

それに対して童話は、就学前の5歳〜小学校低学年の8歳頃までと比較的年齢が高い子どもを対象としています。

絵本制作の流れ

絵本制作の流れ
絵本制作の主な流れは以下のとおりです。

 

  1. アイデア出し・打ち合わせ
  2. プロット・ストーリーの作成
  3. 原画の作成
  4. 校正・製本

 

アイデア出し・打ち合わせ

制作する絵本の対象年齢や伝えたいテーマを考えます。

自費出版であれば自分の好きなように絵本を描けますが、出版にかかる費用は全て自己負担する必要があります。

それに対して商業出版の場合は、印刷にかかる費用を出版社が負担してくれますが、そのかわり担当者と打ち合わせをおこなうなどして、出版社の意向をある程度反映する必要があります。

出版社の担当編集者との打ち合わせは企画段階に限らず、制作途中でも必要に応じて適宜おこなわれます。

プロット・ストーリーの作成

絵本の方向性が定まったら、プロットの作成に入ります。

プロットとは、物語のおおまかなあらすじのことです。

急に絵本を作りはじめてしまうと、物語のつじつまが合わなくなる可能性があるため、起承転結や登場キャラクター、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)など、まずは物語の構成要素をわかりやすく整理します。

プロットが完成したら、それをもとにストーリを書いていきます。

原画の作成

ストーリーが決まったら、原画を描く作業に入ります。

原画作成の作業は大きくわけて「絵コンテ」「下絵」「ペン入れ」「色付け」の工程にわかれます。

絵コンテとは、ページ配分や絵・文章の位置などを決め、各ページの構成をラフ画で描いたものです。

絵コンテが完成したら絵の下書きとなる下絵を作成し、ペン入れと色付けをおこなって原画を完成させます。

校正・製本

原画が完成したら、最後は校正作業です。

誤字脱字や描き忘れ、色味などをチェックし、最終調整が済んだら出版社に入稿です。

 

入稿された原稿は出版社のチェック後、問題がなければ印刷所で印刷・製本され、絵本が完成します。

絵本作家の年収と収入の仕組み

絵本作家の平均年収は424~790万円です。

ただし、絵本作家としての知名度や作品の売れ行きによってその額は大きく異なるといえるでしょう。

絵本作家の収入は、原稿料印税で決まります。

原稿料

原稿料とは、執筆に割いた時間や労力の対価として支払われるもので、絵本を納品したときに発生します。

金額は、出版会社や企画内容、絵本作家の人気度などによって異なりますが、「1ページにつきいくら」「1作品につきいくら」などの計算方法で決められることが多いです。

印税

印税とは、出版社が著者に支払う著作権使用料のことです。

多くの出版社は、発行部数を元に計算する発行印税の形式をとっており、初版時に発行部数分の印税が支払われます。

また、すでに出版された書籍を追加印刷(重版)された場合、増刷したぶんの印税が支払われます。

印税は絵本価格の10%が基本です。

絵本作家の働き方

絵本作家の働き方
ほとんどの絵本作家はフリーランスとして活躍しています。

ただし、絵本作家の収入だけで生活できる人はごくわずかで、多くの人はイラストレーターやデザイナーなどと兼業して生計を立てています。

また、絵本作家は絵のみ、または文章のみを担当するという働き方も可能です。

例えば有名な「ぐりとぐら」シリーズは、中川李枝子さん(作)、山脇百合子さん(絵)と姉妹で絵本を制作しています。

ただし、絵と文章両方を担当できた方が、絵のみ、文章のみどちらの依頼にも対応できるため、絵本作家として活躍の幅が広がります。

また、合作の場合は、印税や原稿料なども2人で分配することになります。

絵本作家になるのに必要な資格はある?

絵本作家になるのに必要な資格はありません。

絵本制作に役立つ資格としては、例えば色に関する幅広い知識と技能を身につける色彩検定が挙げられます。色やその組み合わせが持つ視覚的な効果を知っておくことは、表紙のデザインや各ページの構成、配色を考えるのに役立つでしょう。

また、Photoshop®クリエイター能力認定試験やIllustrator®クリエイター能力認定試験など、イラスト制作・画像編集における代表的なデジタルツールに関する資格も、さまざまな依頼を受けるのに役立つと考えられます。

絵本作家になるのに必要な能力・スキル

絵本作家になるのに必要な能力・スキル
絵本作家になるために必要となる主な能力・スキルは以下のとおりです。

・作画力

・想像力・観察力

・構成力・文章力

・プレゼン力

作画力

絵本は絵がメインのため、絵本作家には一定以上の画力が求められます。

また、多くの人の手にとってもらうためには単に絵が上手いだけでなく、ほかの作品にはない個性があることも重要です。

独特なタッチや色使い、世界観など自分にしかできない表現があると、絵本作家として大きな強みになるでしょう。

想像力・観察力

多くの絵本は子ども向けですから、その制作者である絵本作家には、大人でありながら子どもの目線に立てることが求められます。

そのためには、子どものように常識にとらわれない発想力や豊かな感性、子どもの気持ちや思考を理解する観察力や洞察力が必要だといえるでしょう。

構成力・文章力

絵本は子ども向けに短く作られているため、基本的には16ページ、長くても32ページの作品がほとんどです。

限られたページ内で起承転結のあるストーリーを作るには、お話の構成力が求められます。

また、言葉がわかる年齢を対象とする場合は、わかりやすい言葉選びでメッセージ性を込めることも大切です。

さらに0歳〜2歳ごろの赤ちゃんを対象とする場合は、擬音語(オノマトペ)や音の繰り返しを使って言葉にリズムを生み出すなど、対象年齢に合わせて文章を工夫する必要があります。

プレゼン力

出版社に原稿を持ち込んで編集者に認めてもらうには、作品そのものの完成度だけでなく、その価値やターゲット、意図などを伝えるプレゼン力も重要です。

また、絵本作家になった後も、出版社の編集者とは企画の打ち合わせや制作の段階で何度も意見を交わすことになります。

このとき自分の意見や考えをしっかり相手に伝えるためにも、プレゼン力やコミュニケーション能力は必要になってきます。

まとめ

絵本作家になるには、出版社に作品を持ち込む、絵本コンクールに応募するなどの方法が一般的です。

編集者に認めてもらったり、コンクールに入賞したりするのは簡単なことではありませんが、美術系の大学や短大、イラスト系の専門学校などで画力や個性を磨くことで、その確率を高められるでしょう。

大阪アミューズメントメディア専門学校 キャラクターデザイン学科は、2年間で絵本作家がめざせる専門学校です。

絵本作家として活躍するのに必要な知識と技術を基礎から学べるほか、在学中にプロの現場を経験できるなど、デビューのチャンスにも恵まれています。

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